妊娠中期について
妊娠期間は、妊娠初期(妊娠4~15週)、妊娠中期(妊娠16~27週)、妊娠後期(妊娠28~39週)の3つの期間に分けられます。
今回は妊娠中期に起こりやすい症状やその原因、対処法など詳しく書いていきたいと思います。
妊娠中期とは?
妊娠中期とは妊娠16週~27週ごろのことを指します。
一般的には流産の可能性が低くなる安定期と呼ばれます。
この時期には、赤ちゃんの主な器官がほとんど確立し、胎盤の形や機能も出来上がるので、つわりが落ち着いてくる人が多くなります。
また、胎動もはっきりと感じられるようになり、より赤ちゃんの存在を身近に感じられる時期でもあります。
ママの子宮は週に約1cmほどのスピードで大きくなっており、お腹も少しずつふっくらしてきます。16週には身長約20cmでみかん1つほどの重さだった赤ちゃんも、妊娠中期が終わる27週には身長約30cmでメロン1つほどの重さにまで成長するのです。
ママにとってはマタニティライフの中で最も体調が安定して過ごしやすい時期ではありますが、お腹も膨らみ始め、妊娠初期とは違うマイナートラブルも発生しますので油断は禁物です。
妊娠中期に起こりやすい主な症状とその対処法は?
○動機・息切れ
これは、胎盤を通して赤ちゃんに十分な血液を送るため、妊娠していない時にくらべて心拍数が1分に10回ほど増加し、心臓が送り出す血液の量が急速に増加することで、心臓に負担がかかることが原因だと言われています。
また、貧血気味になることも動悸の原因の1つのようです。
→→普段からゆっくりと行動することをおすすめします。少しでも動悸や息切れを感じた際は無理をせず、治まるまでゆっくりと休んでください。
安静にしても治まらないときには注意が必要です。産婦人科の医師に相談してください。
○貧血
血液の液体成分が増える一方で、赤血球の数はそこまで増加しないため、貧血を起こしやすくなります。
赤血球には赤ちゃんへ酸素を運ぶ大切な役割があります。妊娠中の貧血のほとんどが、その赤血球を作り出す鉄の不足によっておこる鉄欠乏性の貧血です。
無症状の貧血も多いですが、動悸やめまい、頭痛や立ちくらみなどの原因にもなるので注意が必要です。
→→ホウレンソウやレバーなどの鉄分の多い食事をとることが大切です。サプリメントで補うのも良いと思います。
しかし、レバーの摂りすぎはビタミンAの過剰摂取となり、胎児奇形の確立が増加すると言われているため注意が必要です。
○腰痛
お腹が大きくなるにつれ、お腹をせり出し反った姿勢になることで腰や背中に負担がかかり、痛みを感じるようになります。その姿勢が多くなってしまう妊娠中期から後期にかけて悪化しやすくなるので要注意です。
→→大幅な体重増加を避けること、長時間立ち続けたり座り続けたりなど同じ姿勢で過ごさないこと、寝るときは少し硬めのマットレスにすることなどが有効です。
痛み止めの湿布等には、妊娠中に使用できない成分が含まれているものもあるため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談するようにしてください。
○便秘
妊娠初期からプロゲステロンというホルモンの分泌が増えること、大きくなった子宮が腸を圧迫することで起こる、よくあるマイナートラブルです。
排便の際に力むことが増え、痔になりやすくなるので注意が必要です。
→→まずは便秘にならないよう、水分をしっかり摂るなどし、便秘が続く場合は医師に相談するようにしてください。
他にも
○頭痛
○肩こり
○むくみ
○足のつり、こむらがえり
等があります。
妊娠中期に気を付けること
○行動は慎重に
お腹が大きくなり、バランスが悪くなる時期です。滑ったりバランスを崩してこけることがないよう、足元に気を付け、慎重に行動するようにしてください。
○正しい姿勢を意識して
お腹が大きくなり、重心が後ろにいくので姿勢が悪くなりがちです。腰痛や背中の痛みの原因になりますので、長時間同じ体勢でいることは避け、正しい姿勢を意識しましょう。
○バランスの摂れた食事
つわりから解放され、たくさん食べてしまいがちなのがこの時期です。赤ちゃんの成長や貧血予防のため、塩分は避け、たんぱく質や鉄分、カルシウム、ビタミン等、バランスのとれた食事を心がけてください。便秘予防のため、食物繊維の多い野菜や果物の摂取もおすすめします。
○しっかり休むこと
動悸や息切れを感じたとき、お腹の張りを感じた時は無理をせず、しっかりと休むようにしてください。横向きの姿勢やクッションを使うなどして自分にとって楽な姿勢を見付けてください。
おわりに
だんだんと体調が落ち着き、過ごしやすい時期になりますが、まだまだマイナートラブルは続きます。
はっきりとし始めた胎動で我が子の存在を感じつつ、症状と上手く付き合いながらマタニティライフを楽しく過ごしてください。