妊娠中に必要な栄養について
お腹の赤ちゃんは、成長に必要な栄養を全てへその緒や胎盤を通してママからもらっています。そのため、ママは妊娠前よりも更にエネルギーや栄養素が必要で、バランスの摂れた食事を心掛けないといけない、というのは誰もがなんとなく理解していることだと思います。では、具体的にどんな栄養素がどれだけ必要なのでしょうか?詳しくみていきます。
妊娠中に必要な栄養とは?
○葉酸
赤ちゃんの体をつくるための細胞分裂を促し、脳の発育にも必要な栄養素です。神経管閉鎖障害のリスクを減らすため、特に妊娠初期に最も重要であり、本来であれば妊娠前からの摂取が理想的だと言われています。
⇒モロヘイヤ、ほうれん草などの葉物の野菜や豆製品等に多く含まれています。
○鉄分
血液中のヘモグロビンを作り、酸素を運ぶ重要なミネラルです。不足すると赤ちゃんの発育が悪くなり、ママも貧血になってしまいます。
⇒レバーや海藻、貝類、ほうれん草に多く含まれて、ビタミンAやビタミンCと一緒に摂取すると効果的です。
○カルシウム
ママと赤ちゃんにとって大切なミネラルです。妊娠時は、赤ちゃんの骨や歯を作るためにより多くのカルシウムが必要になります。
カルシウムが足りなくなると、母体に蓄積されたカルシウムが骨や歯から溶け出し赤ちゃんへ運ばれ、母体の骨密度が低下するため注意が必要です。
⇒小魚、乳製品、モロヘイヤになどに多く含まれます。
○ビタミン類
ビタミンは人の身体を正常に働かせるために欠かせない栄養素で、他の栄養素の働きを円滑に進める働きを持っています。特にビタミンB6はつわりの予防にも効果的だと言われています。
しかしビタミンAの過剰摂取は胎児に奇形を引き起こす可能性が高まることが報告されているため注意が必要です。
⇒肉類やレバー、緑黄色野菜や果物に含まれます。
○たんぱく質
たんぱく質はママと赤ちゃんの身体の土台を作るとても大切な栄養素です。また、吸収されにくいカルシウムや鉄分の吸収を助けてくれます。
妊娠中はカロリー摂取量にも気を付けなければいけないため、動物性ばかりではなく、大豆類などの植物性のたんぱく質も上手に摂る必要があります。
⇒牛乳や魚介類、動物の肉類、大豆類に多く含まれます。
妊娠中の栄養素の推奨摂取量は?
○葉酸
非妊娠時:240㎍ 妊娠時:+240㎍ 更にサプリメント等で+400㎍
○鉄分
非妊娠時:6.0~6.5mg 妊娠時:初期は+2.5mg、中・後期は+15.0mg
○カルシウム
非妊娠時:650mg 妊娠時:±0
○ビタミンA
非妊娠時:650~700㎍ 妊娠時:初期は±0、後期は+80mg
○ビタミンB2
非妊娠時:1.2mg 妊娠時:+0.3mg
○ビタミンB6
非妊娠時:1.2mg 妊娠時:+0.2mg
○ビタミンB12
非妊娠時:2.4㎍ 妊娠時:+0.4㎍
○たんぱく質
非妊娠時:50g 妊娠時:初期は±0、中期は+10g、後期は+25g
おわりに
こんなにたくさんの栄養素をバランスよく食事から摂るのは難しい、と感じた方も多いのではないでしょうか。
1つ1つ栄養素の摂取量を計算する必要はありません。肉類、魚介類、野菜、海藻類、果物等、偏らないようにまんべんなく摂取することを少し意識するだけで、違ってきます。
難しい場合はサプリメントなどに頼りながら、食事も楽しみつつ、健康的なマタニティライフを過ごしてくださいね。